何時からいたのか分からない『異形』という存在が人類を脅かしていた。

ファーストインパクトの影響で『異形』という曖昧な存在が、この世に具現化した事しか正確には分かっていない。

雑食性のその生命体らは人類をも捕食。

異形は人類を次々と襲い、人類vs異形の生存競争時代が始まった。

異形は一時、食物連鎖の頂点に立とうとするが、人類はそれに対し敵対する。

それにより、異形と人類の生存競争はある程度沈静化するが、ある出来事によりそれは崩れる事になる。



セカンドインパクト



突然の異形のパワーアップと増殖により、人類は2/3まで人口が落ち込んだ。

国という概念が曖昧になっていき、世界通貨であるドルが一時的に紙屑同然になる。

しかし、対異形用武器の普及元である日本の通貨、『円』が世界に出回り、現在は日本円が世界通貨となる。

人間同士の略奪や殺し合いが一時増えるが、共通の敵である異形の存在がそれを止めるという皮肉の結果となった。

そして、セカンドインパクトから15年

後に『現代に残る神話』とも語り継がれる事件が幕を開ける


























新世紀エヴァンゲリオン〜生きる意味〜


第一話「手紙」


























『異形』



もっとも強大な敵でもある生命体。

絶対防御である『心壁』を破らないと倒せない。

人をも捕食しようとする雑食性があり、人にとっては厄介な存在でもある。

基本的には街中などに出なく、『汚染区域』と呼ばれる地にいることが多い。

異形が持っている能力は様々ではあるが、人類は現在15種類見つけ出している。

その他にも似たような能力を持っている異形も確認されているが、15種類の中に分類されている。

能力がないもの、もしくは15種類に分類されないものは『亜種』と呼ばれている。



<2013年度世界共通用語集から抜粋>


























汚染区域日本第15地区(旧東京)



異形が頻繁に出て来る土地の名称である。

旧東京はセカンドインパクト時に数多くの異形の襲来にあい、結果として汚染区域となってしまった場所。

政府は旧東京を汚染区域と指定し、まだ生き残りがいたにも拘らずN2爆弾を落とした。

それにより、一時は廃墟と化した旧東京は政府の管轄下でも無く、無法地帯状態である。

現在では、表世界では生きていけない者達や、犯罪者、さらには捨て子など訳ありの人達が住んでいる。

そんな中、一際目立つ建物が存在している。



光闇城



そう呼ばれている場所がある。

一般の人は、其処にたどり着く前に死んでしまうと言われる汚染区域の中でも有名な場所。

其処に一通の手紙が送られてきた。


「シンジさ〜ん!! シンヤさ〜ん!!」


髪は黒で身長が180cmはある20代ぐらいの男、藤山祐二が一人の少年に手紙を持ってくる。


「祐二さん?」


シンジと呼ばれた少年は中性的な顔に黒髪。

黒曜石のように澄んだ黒い瞳。

腰には日本刀、服装はGパンに、上には対極図の紋が背中に入っている黒いジャンパーを着ている。

落着いた雰囲気を醸し出しているシンジは、とてもじゃないが14歳には見えない。


「なに?」


シンヤと呼ばれた少年も同じ服装である。

こちらも中性的な顔で銀髪。

右目が澄んだエメラルドグリーン、左目が深紅の鬼のような瞳。

きりっとした目つきをし、その雰囲気はどうも近寄りがたいものがある。

シンジよりは身長が低いらしく、本人曰くそれが最近の悩みらしい。

武器はシンジと同じく日本刀だが、シンジより尺が長く、五尺もある大太刀である。


「シンジさんとシンヤさんに手紙が届いてるんですよ」


祐二はそう言って手紙を二人に渡す。

シンジは祐二から手紙を渡されると、その場で内容を読み始める。

感情の読めない無表情な顔をしながら目線を動かしていく。


「……碇ゲンドウ……」


「?? 誰だ?」


シンヤはシンジの呟きも敏感に聞き取ったが、その人物が誰か全然分からなかったようで不思議そうにシンジを見つめる。


「シンジの知り合いか?」


シンヤはそう言いながらシンジの手紙を覗く。

シンジの手紙には一言で





  来い



      ゲンドウ





と書いてあった。


「……………何処に?」


シンヤは皆がもっとも聞きたい事を代弁する。

祐二は手紙の内容を見て思わず、「嫌がらせですか?」と声に出してしまったほどだ。


「わからない。

 でもこの送ってきた人物はわかるよ。僕の父親さ」


シンジは手紙をピラピラさせながら呆れる様にそう言って、肩を大げさに竦める。


「「え〜〜〜〜〜〜!!!!!」」


「これが礼節をわきまえるシンジさんの父親の手紙ですか?!」


祐二は「信じられない」と言いながら手紙とシンジを交互に見ている。

余程驚いているのだろうか、交互に見る速さが尋常ではない。


「馬鹿の一言だな」


「まったくの同感だよ。

 まるで主語が無いし、簡潔に書くにしても限度ってものがあるって知らないのかな?」


「知らないんじゃないのか?

 殴り書きで書いてあるし、悩んだ結果こうなったとも思えないしな」


シンヤはゲンドウの馬鹿さ加減を勝手に推測しながら、自分に送られてきた手紙を読んでいる。

しかし、差出人の名前に見覚えが無いのか、眉間に皺を寄せながら必死に思いだそうとしている。


「はぁ、こいつ本当に誰なんだよ? 一度聞いた名前なら絶対に覚えてるんだけどな〜。

 そうだ!! 祐二、こいつ誰だかわかるか?」


結局思い出す事は出来ず、シンヤは自分より記憶力のある祐二に手紙を渡しながら頼む。


「ええ〜〜と、この人ですか?

 確か……第三で『天界』の門を守っているハンター……だと思うんですが…」


「なるほど、こいつはシンジの父親と同じ『天界』の門を守っている一人ってわけだ。

 行き先が同じ第三東京市だから間違いないだろう」


「恐らく……そうだと」


祐二の、部下としての態度にシンジ達は半ば諦めかけていながらも、言葉遣いに関して注意する。


「そんなに外れてるかどうかなんて心配するな。

 俺はそういう上下関係があまり好きじゃないんだ、勿論シンジもそうだ。

 そういう上下関係は公務の時、もしくは戦闘関係の話をしている時だけで十分だ。なぁ、シンジ?」


「そうそう。だから祐二さん、リラックスして」


「はい」


返事をした祐二には、特に変わった所がなく、相変わらずの丁寧語である。

何回言っても直さない祐二の言葉使いに、シンジ達二人は頭を悩ませていた。

変に頑固な所があるらしく、祐二に変える気はまったく無い。


「はぁ、祐二の言葉使いは死んでも直らないな」


「まぁ祐二さんに関しては言う前から解ってた訳で……で、どうする? この手紙の返答」


「ふっ、愚問だな。

 ちょうど退屈してた所なんだ。気晴らしに行くさ」


シンヤは悪魔の微笑みとも呼べる顔をしながら、いかにも楽しそうにシンジの問いに答える。


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!!

 ここ、"光闇城"はどうするんですか!?」


「別に大丈夫だろ? ここは。

 いくら『魔界』『神界』に繋がっているって言ったって俺とシンジの結界を二重に張ってある。

 それに『魔界』『神界』の平和協定もある、異形に関しても他の奴らでも十分対処出来るレベルしか来ないしな。

 後の心配と言ったらお前達の喧嘩だけだろ? 心配事は」


シンヤはさも自分が正しいんです!! と胸を張る。

今回の場合、シンヤの言っている事は正論であり、祐二が言い返せる余地は無かった。


「それはそうですけど……」


それでも祐二は、まだ何か言いたげそうに複雑な顔をする。

それを見かねたシンジは助け舟を出す。


「シンヤ、わかってあげなよ。

 祐二さんにはあの人が帰ってきた時、僕達がいないと死んでしまうんだから」


「そんな!! 

 シンジさん、不吉なこと言わないでください!!!」


シンジの言葉は祐二にとって助け舟ではなく、不安を煽るだけの言葉になってしまった。

祐二は過去の出来事を思い出したのか、顔を青くしている。


「わかった、祐二! お前も来い!!!!」


そんな祐二を可哀相に思ったシンヤは、祐二の心に一筋の光を見い出した。


「は?」


「聞こえなかったのか? お前も来いって事。

 そうすれば死なないだろう?」


何気に酷い事を言っているシンヤだが、祐二は泣きながらお礼をする所から真実だと分かる。


「あの人は祐二さんの事が大好きなだけだと思うんだけど……」


「甘いな、シンジ。

 大好きなんてとっくの昔に越してしまって、もう心中するぐらいのレベルに達している。

 何せ俺に『私が遠征している間、祐二さんに女の気配がしたら即刻連絡してください』なんて言ってたし……」


シンヤは妙に疲れた顔をしながら話す所を見ると、かなりの拷問を受けたらしい。


「まったく、何で他人の惚気話を長々と五時間も聞かされなきゃならなかったんだ?

 大体結論から言えってんだよ、俺の睡眠時間が………」


「愚痴は本人に言ってよ……」


「分かってるけど言いたい時だってあるもんだよ。

 さて、政府公認の最弱な『天界』の門がある第三東京市にでも行きますか」


シンヤは悪戯っ子がする小悪魔的な笑顔をしながら歩き始めた。

二人はそんなシンヤの態度に呆れながらも、シンヤの後を追った。


「(まったく、面白くなってきたぜ。

  この手紙を送ってきた人物の正体も突き止めなくちゃな)」


シンヤは自分宛に書かれていた内容を思い出しながら、心躍らせていた。















闇皇様へ




実は貴方様の力を貸していただきたいのです




突然の事で驚かれるかもしれませんが、時間がありません




実は大型異形が天界の門に攻めてくる可能性が出てきました




予知能力者の予言によると三日前後だと推測しております




我々は大型異形に対して何の対策もしていないという訳ではありません




しかし、それも時間の都合上間に合いそうもなく、このままでは天界の門は大型異形により開かれてしまいます




我々は政府直属の組織でもあるため、反政府組織の力を借りる事も出来ない状態で、頼れるのは貴方様以外いないのです




勝手な言い分だと思いますがよろしくお願いします




赤木リツコ


















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